剣崎沖のイサキ、好調維持中も今季最終戦

8月21日(土)、金沢八景のあさなぎ丸からイサキに行ってきた。
前回は2週間前、一日通して食ったり食わなかったり掴み所の無い展開に加えてマルソーダの猛攻。決して良い状況とは言えない中も、終わってみれば良型交じりの113尾と釣果的には十分過ぎる内容となった。剣崎沖のイサキは6〜8月の3ヶ月間が漁期と決められているが、例年6、7月は低調に推移し、8月の声と共に爆釣モードに突入するのが恒例。釣っても釣っても新しい群れが入ってくるのか、尻上がりに模様が上がる傾向にあるのが例年のパターンである。今年も同様、このところ大型こそ鳴りを潜めているようだが、小型中心の爆釣モードは継続中のようだ。今週を見送ると次週が漁期最終週末となるため、混雑しそうな雰囲気も濃厚ながら、久々にすずきんさんとご一緒させて頂くことになった。5時にお迎え頂き現場に急行。5時半頃に到着してご主人にご挨拶、他は特に人気は無かったが、船形を見ると左舷ミヨシ3席と大ドモが既に抜けている状況。迷わず右舷ミヨシ2席を抜いて、ひとまず釣り座の確保はOK。早く来たのはいいけど出船まで2時間弱、今日は話し相手が居るので時間を持て余すことも無さそうだ。6時前には乗客10名を超えてきて、今日はいつもの週末よりお客の出足が早く、案の定、混雑の様相である。最初から抜けていた左舷ミヨシ3席はナント、以前、フグ仕立でご一緒させて頂いたたー坊さんご一行様(たー坊さんまるっちPPさん&タカちゃん)ご自宅が近いようで、前日から釣り座を確保されていたそうだ。近いってのはいいですね〜。こちらはすずきんさんに右舷大ミヨシを譲って頂き、船首側は仲間内の仕立船のような雰囲気の中、着々と出船準備。最終的には、右舷8名、左舷9名とこれまであさなぎ丸でイサキ釣りをさせて頂いた中では最大の混雑加減となり、腰が良くないので少々躊躇ったが、多少でも間隔を確保できるよう一段お立ち台に上がって釣り座を構えることにした。


海上無風ベタ凪で酷暑。イナワラが出始めてからイサキ船は少ないです。

さて、準備も整い定刻7時20分、いつも通り奥沢船長の操舵で出船である。船着場では風が通さず出船前から汗が滴る蒸し暑さだったが、現場まで小一時間、たー坊さん、すずきんさんらと談笑しながら快適なクルージング。場所が近いのもいいけど、遠けりゃ遠いでまた楽し。8時10分、スローダウンするとイナワラ船団の少し沖目にイサキの小船団が位置するが、水深はこっちの方が全然浅い。いつものようにクラッチとスラスターを駆使して微妙な位置調整を行うと8時15分、指示ダナ18〜12mで開始となった。海上無風だが船首は東向き、空は薄曇りだが体感気温は高い。水色はナント茶緑が入った濁り潮。参ったねぇ、2週間前とはまったく違う潮に変わっちゃった。海面に浮遊物も多く、赤潮の泡のようなものも散在して汚れた潮である。1投目、鉄板ウィリー仕掛けを接続して投入、20mまで沈めてシャクリを開始。1シャクリ目でアタリが出たが掛からず。もう1回沈めてシャクリ直すと同じくらいのタナで今度はヒット。18cm級のウリンボである。この潮でも食うのか。船長によると、昨日は序盤戦、潮が速かったものの時間と共に落ち着いてきたそうだが、今日は朝から潮は何にも無し。速いのも困るけど何にも無いのもねぇ、魚の気配は濃厚ながらも活性イマイチと見えて、掛からないアタリが半分以上。前回はカラー針で掛かりが悪くてウィリーに変えた途端いきなり好調に転じたが、ホント日によってわからないものである。そういう意味で、この手の釣りも場数を踏んで、色々な状況を経験しながら引き出しを増やすということが重要なんでしょうね。この潮だとまずカラー針は食わないので、このまま仕掛けは変えずにシャクリのパターンを模索しよう。ただ、潮が全然無いので、仕掛けのテンビン側から上の枝素までの85cmを半分に詰めて調整。スズメダイの頻度が高いことから潮が良くないのは歴然で、大概こういう日にはイイ魚が食って来ない。


一之瀬丸は片舷12名の満船。後で聞いた話、一之瀬丸に乗れず、こっちに回ったお客さんがけっこう居らしたそうで。

最近、釣れなくもないんだけど掴み所の無い展開ってのが多くて、今日もすずきんさんと首を傾げながらの序盤戦。ツ抜けするのに4、50分も掛かってしまった。ただ、色々やってみた感じ、表層の潮を嫌っているのか、高めのタナには魚浮いておらず、アタリが出るのは17m中心に高くても15mくらいまで。最盛期のようなショートピッチのシャクリだとアタリが出てもまず掛からない。今のところ、ややしっかり目にシャクって止める時間を少し作ってやった方がアタリが出易いような感じ。ただし、これでも掛からないアタリが今日は多く、いずれにしても本調子とは程遠い状態。たー坊さんチームも型は出しているようだが、数釣りモードには達していない模様。潮周りは若潮後の中潮初日で、干潮が9時前、その後、上げ潮に転じて満潮が16時20分の予報なので、この時間ほとんど潮止まりだね。10時過ぎにバケツの中の第一陣をクーラーに仕舞うと、なんやかんやと32尾もあった。すべてウリンボだけど、一ヶ月前に比べるとお寿司サイズよりは2回りくらい大きいのが主流。みなさん、しっかり釣って今季最後の極上の味覚を楽しもうではありませんか!それはそうと何とかならんかね、この無風状態。暑いのは暑いんだけど、それより取り込みの度に道糸が穂先にグルグル絡んで釣り難いこと。PEの先にリーダー結んでおけばこんなことも無いんだろうけど、コマセ釣りでリーダー結ぶのもなんだかなぁ。とにかく風が出てくれることを切に願う。11時20分頃になると、若干潮が効いて来たようで、だんだんアタリが続いて明らかに状況上向き。釣り方は20mから速めにシャクリ上げて17mで停止すると3秒以内にアタリ。アタリが出たら少しアワセ気味に竿に乗せるのがパターンに嵌って、午前の部もそろそろ終わりというところでプチマシン化。実際、これもタナ決め打ち釣法に近くて、本来やりたい釣り方では無いけど、これで釣れるからこうするしかない。


右舷一番前に見えているのがすずきんさん、左舷の前から3名さまはたー坊さんチーム。

まだアタリは出てるんだけど、ちょうど12時になったので休憩。バケツの中の第二陣をクーラーに仕舞うと最初のと合わせて66尾。釣りの内容的にはイマイチだけど、そこそこ数は溜まってますねぇ。ってことはホントのバリ食いモードが続いたら一体どうなっちゃうのか?そう言えば常連Aさんが今週、定休日挟んで水曜、金曜と211尾に186尾だったかな、2日で400尾!?船長がさっき、込み根さんコレ参考にしてみて!と仕掛け持って来てくれて、これが噂の必殺ウリンボ仕掛け。具体的な仕様を公開するとご迷惑をお掛けするかもしれないので、この場では伏せますが、簡単に言うと全長1.5mの短仕掛け。確かに今日はテンビン側の針に食ってくる率が高いので、短仕掛けはウリンボの活性が高い時にはよく釣れるかもしれない。ただ、実際のところは定かでないけど、大型が食ってくる確率が減るような気がして、個人的にはあまり気が進まないというのが正直なところ。ソーダに仕掛けやられたついでにお借りした仕掛けに替えて1尾釣ってみたけど、自分のシャクリには合っていないかもしれず、アタリ出すのにやや苦労。自分は基本シャクリが速いので、もしかしたら長めの仕掛けの方が合っているのかも。そういう意味では名人の爆釣仕掛けが万人向きかどうかは一概には言えず、人それぞれの釣り方に合った仕掛けがあったり、逆にその仕掛けを使って釣れる釣り方になっていくってケースもあるかもしれない。実は以前、カラー針の2mくらいの短めの仕掛けを、入れ食い時に試したりもしていたのだけど、結局は元の寸法に戻って、後はその場で微調整する程度。船長曰く、この仕掛けだとソーダが食わないというから、それは大きなメリットだが。後で真水で洗ってお返ししますね。ありがとうございました。そんなことを考えつつ、おにぎり3個をお腹に流し込んで釣り再開。


たー坊さんとマルソーダ。後半はマルソーダが邪魔で邪魔で、お願いだから消えてくれ〜!

お昼から南風がソヨソヨしてきたのは良いのだが、船首は東向き、恒例の右舷向かい風で仕掛け捌きがメッチャやり難い。取り込み中に手前マツリするし、投入したくても仕掛けが船縁の外に出てくれない。おまけにマルソーダの猛攻が激化しちゃって、こりゃいくら仕掛けがあっても足りないぞ!せっかく自分でウィリー巻いた新品の5本針仕掛け、投入一発でソーダに食われてチリチリオシャカはマジで頭に来る。お願いだから消えてくれ〜!と思うが、今日は人数が多いのも手伝ってしっかり船下に着いてしまってどーしよーも無い。潮は下げ潮で船首は東向き、流れで船首が右(南)に振られるためスラスター入りっ放し状態。右舷ミヨシは目の前泡だらけでPEのマーカーも見えない。お立ち台の上は船縁にもたれられないのでスラスターが入った瞬間、反動で海に落ちそうになる。これ以上無いほどの釣り難さの中、イサキの活性は上昇。ようやく速めのショートピッチシャクリに反応が良くなってきて、ツボに嵌ると3点掛け、4点掛けも。掛からないアタリも相変わらず多いが、バンバンやり直すとほとんど空で上げることは無い状態。ところがイサキを掛けて巻き上げ中、尽くマルソーダに捕まってしまい、イサキが2尾着いてるのに水面で先針にソーダが食いついてしまって、イサキが2尾とも空中で吹っ飛ばされるなんてことはしょっちゅう。イサキにとっては命拾いだろうが、掛けてる数の半分も取れない。そんな状況下、13時過ぎにバケツの第三陣をクーラーに移すと101尾で1束突破。相変わらずのソーダの猛攻の中、終盤はイサキのアタリが出難くなってしまい、尻すぼみ状態にて定刻15時に終了。と言っても釣果124尾。ソーダの邪魔が無かったらどこまで行ってたかと思うけど、実際問題、これ以上釣っても処理能力を超えちゃうのでギリギリMAXでしょう。


後半はソーダを避けて小移動を繰り返すが、いたちごっこ。前日はソーダなんてまったく居なかったらしい。

すずきんさん、たー坊さんチームのみなさま、今日はお疲れ様でした。中盤以降はソーダさえ居なけりゃ!という状態だったけど、初挑戦の方もいらした中、みなさん、おかずは取れたようなので良かったですね。ぜひとも剣崎沖のイサキを賞味してみてください。もし足りないようでしたら、来週もまだできますよ!(笑)また何処かでお会いした時にはよろしくお願いします!


本日の釣果、イサキ 124尾(16〜22cm)、マルアジ 6本(22〜24.5cm)、タカベ 3尾(21.5〜23cm)。他、ネンブツダイ、スズメダイ、マルソーダ多数は放流。45尾ほどお裾分けしても、魚下処理して道具片付けてシャワー浴びたら3時間超。釣った人間の最低限の責任です。


今宵は子供が留守で夫婦二人の食卓。ウリンボを炙りとお刺身で食べ比べ。炙りは塩をチョンチョンつけながら、お刺身は強めの山葵醤油で、同じウリンボでも違った食味が楽しめますね。


翌日の昼ご飯。イサキの手こねちらしとイサキのお吸い物。炊き立て熱々のご飯で酢飯を作って、刻んだイサキのヅケと白ゴマを混ぜたら、刻み海苔、錦糸玉子、大葉の千切り、紅生姜のトッピング。イサキのヅケに薄っすら熱が入って半生状態に!コクと旨みが際立ち、これはバカウマ!

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