初体験、下浦沖のイサキ、雨天強風でバリ食い

10月9日(土)、久里浜の五郎丸からイサキに行ってきた。
剣崎沖のイサキは6〜8月が漁期と決まっているが、例年6、7月は地味に推移しつつ8月に入ると一気に上昇、最後まで爆釣が続いて尻上がりに漁期終了。そんなパターンのため、仮に漁期が1、2ヶ月後にズレてたらどうなっちゃうのだろう?水深も浅く多点掛けで釣れて来るので、それこそ尾数制限を設けるとか何か考えないと資源の枯渇が心配になってくるほどだが、それを考えると6〜8月の漁期っていうのは、ちょうどマダイが下火になってワラサが出てくるまでの繋ぎ的な意味(イサキの漁期途中でワラサが食いだすと一斉に切り替わっちゃうのが松輪方面の船宿事情ですもんね)との両面から、よくできていると言うこともできる。で、あれだけ居るイサキが他の場所にまったく居ないはずもなく、はたまた9月になったからと言って一斉に居なくなるはずもなく、前述のように剣崎沖が実質一ヶ月なもんだから、禁漁後ももうちょっと釣りたいんだけどなぁ・・・そんな物足りなさを感じるイサキファンの願いを叶えてくれるのが久里浜の五郎丸。9月以降はシャクリ五目と称し、下浦沖に場を替えアミコマセによるコマセシャクリ方式にてイサキをメインに釣らせてくれる嬉しい船宿である。昨年、Iさんと一度出撃したものの、どうしたことか昨年はイサキの模様がまったくダメで、急遽ハナダイ船に乗船したのも記憶に新しい。その反動か今年は現在のところ平均トップ50〜100尾と好模様を維持しており、物足りない派としては気になっていたところ、本日、Iさん、すずきんさんにお付き合い頂けることに。(アレで物足りないのか?と言われそうだけど、時間が経つと食べたくなるじゃないですか!笑)


船宿到着5時40分、早めに行った割りに順番最後。で、我々の後にお客来ず!?

久里浜五郎丸、最近、HP更新してくれないものだからイマイチ様子が分からず、木曜日、Iさんに電話で探りを入れてもらったところ、本日の釣果、イサキ68〜90匹で早上がり、交じりはメジナ、イナダ、水深20メーター、喰棚4〜10メーター、ビシはFL60号、ハリス1.5、ウイリー仕掛けとの情報。要は剣崎沖と同じ道具立てで、むしろ水深が浅い感じですかね。しかし釣れてますね〜。『土曜日はダメよの法則』ってのがあって、行ってみるまで分からないけど、土曜日の予報は雨だから絶好のイサキ日和かもしれず、弥が上にも期待感は高まるのであった。すずきんさんに5時にお迎え頂き、いつもありがとうございます!この時間止んでるけど、深夜から降った形跡もあって、昼前からの雨予報もどうやら早めに来そうな気配が濃厚。行程順調に5時40分くらいに船宿に到着すると、早速、受付を済ませ、女将の案内で船着場にクーラーボックスを置いて乗船時間まで待機。先客は6名のようで、意外と皆さん出足早いですね。今日はイサキ日和だもんな〜、好きな人はこういう日に好んで来るでしょうね。6時を回った頃、ようやく乗船開始。先客の皆さんはトモ寄りから入られ、我々は船長の指示で左舷ミヨシから3名並んで座れて結果オーライ。6時30分、電車で来られたIさんもご到着。左舷はミヨシからIさん、私、すずきんさん、他2名の5名、右舷は4名で計9名。せっかく早めに来たのになんてことない、結果、我々の後から誰も現れずであった。予報のせいか今朝はどの船も空いてて、お隣マダイ船はナント1名様の大名釣り。やっぱ今日はタイだったかな・・・なんてね。準備も整い6時50分に出船である。


7時、いざ出船。昼前からの雨予報も、思った通り出船と同時に降り始め・・・。

案の定、出船と同時にポツポツ始まって、今日はもう止まないだろうなぁ。港口で待機することジャスト7時、全船沖へ向かってエンジンの回転数を上げるが、本船は徐行しながら東電久里浜防波堤を回ると南西方向に進路を取った。ホントに下浦沖なんですねぇ。15分ほど走ったところでスローダウンすると位置取りが決まったようで、7時15分、開始のアナウンス。北北東の風ビュービューで雨、海上はやや風波がある程度で問題無いが、凄い風で1投目、いきなり自作ウィリー仕掛けが手前マツリ、う〜前途多難な様相を極める。水色は薄濁り。タナは10〜5mとの指示。ホントに浅いんですね!根があるのでそれより下には下ろさないようにとのこと。了解しました。10mきっかりまで下ろしていつものパターンで5mまでシャクって様子見。大潮の最終日で干潮が11時半頃の予報。この時間、下げ潮ぶっ飛びで船をエンジンで戻すと道糸はトモ方向に真横に引っ張ってしまって二度と戻って来ない。当然、オマツリも多く、この船だと片舷5名程度は釣り易い方だと思うけど、如何せん潮が速過ぎる。開始早々、お隣すずきんさんに初物。おっ!やりますね〜。だがしかし、私とIさん、何往復してもカスリもせず。かと思ったら、右舷の方でズタバタ、ズタバタと魚が暴れる音が鳴り響き、振り返ると右舷ミヨシ2番のお客さんトリプル、ダブルと入れ食いが止まらない。ミヨシ1番のお客さんも強風手前マツリと格闘しながらも順調にイサキを釣り上げ、右舷だけ入れ食い大会。イサキのサイズは夏場の剣崎沖のウリンボがまさに2ヶ月育ったような状態で、19〜20cm主体に23cm絡みもちらほら。いいなぁ、仕掛けがダメなのか、誘いが合ってないのか?Iさんと顔を見合わせ呆然。


風雨強い序盤戦、何故か右舷のお客さんは入れ食い!?我々3名、生体反応ゼロで瀕死の状態。

右舷で入れ食いが続く中、左舷の3名様、アタリ皆無で瀕死の様相。何が悪いのかまったく分からず、右舷2番のお客さんの誘いをIさんと観察。(失礼ですが)大して変わったことをせずともシャクって止めると次の瞬間、決まって明確にアタリが出るから見ていて不思議。開始45分、左舷の3名、未だすずきんさんの1尾のみ、私とIさん、まさかの生体反応ゼロ。すずきんさんもアレ以来音沙汰無し。も〜泣きそ〜。右舷のお客さん、バケツは早くも真っ黒け。このままじゃマズイ、何とかしないと!こうなったら聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥。道具を置いて右舷に出向いて、スミマセン!朝から一回もアタリが無いんですけど、タナどれくらいでやられてるんですか?するとお客さん、一度もアタリが無いと聞いてビックリした様子。タナ?低いですよ、12mくらい。エッ!一瞬耳を疑ったが、そういうこと!?10mより下ろすなと指示されていたので頑なに守っていたのだが・・・。ありがとうございます!早速、自席に戻って底まで下ろすと水深は15m前後、1m巻いてからシャクリを入れ始め、12mでストップするといきなりブルブルブルッ!一発で本日初アタリ。回収するといきなりイサキのトリプル。なんだよも〜!低いのかよ〜、頼むよ船長〜!(笑)ちなみにこの時の指示ダナが8m〜4mで4mで少し待て、だったと記憶。完全出遅れ状態の左舷の3名、タナが合ってからはジャンジャンバリバリの入れ食いモード。あっという間に桶が黒く染まって胸を撫で下ろす。悪夢の45分は無かったものとして、さぁ今から取り返すぞ!と言わんばかりにイサキマシーンと化す。


タナが分かって以来、すずきんさんもようやくペースに乗って、桶が埋まり始め・・・。


念願のイシダイもこのサイズでは・・・あと10倍大きくなってから釣れてね!

相変わらず潮は速くオマツリも多いが、道糸の角度が斜めになっても仕掛けがタナに入るとアタリはバンバン出るので手返し手返し。しかし、海上見渡すと海のど真ん中、こんな場所にこんな沢山イサキが居るんだもんね。他に攻めていない根だってあるだろうし、改めて海の豊かさを実感させられる。最近、コマセの規制の話題とかもあるけど、今が良ければそれで良いではなくって、守るものはちゃんと守っていって、こういう釣りがいつまでもできるようにみんなで考えなきゃいけない時期に来ているのは議論の余地も無かろう。自分だけ釣れない時間、誘いが合ってないのか?仕掛けがダメなのか?究極の疑心暗鬼に陥り、精神的に追い込まれるが、一旦、思い通り魚信を呼び込めるようになると、釣りのペースは完全に自分のコントロール下にあって揺るぎないものとなる。剣崎沖用に量産したウィリー仕掛けはここ下浦沖でも強かった。配色や位置に偏り無くトリプル数回、4点掛けも2、3回。Iさんは5本針にパーフェクトも達成。ちょっと気分に余裕が出てきたところでカラー針仕掛けを繋ぐと、イサキは反応がちょっと悪い印象、明らかにスズメダイが先に着いちゃうため、すぐにウィリーに戻す。10時台、下から誘うとやはりスズメダイが先に着いてしまってやや足踏み状態。すずきんさんに聞くとタナが上ずっているそうで、この時間9mでアタリが出るとの情報。ありがとうございます。12mでストップして9mまでシャクって止めると難なく2、3秒でアタリ。しばらく上目で続いたが、再び下がったりと、若干タナの変動を考慮する必要はあるが、基本、活性は高く、さすが雨天強風でイサキはご機嫌。


アミコマセでビシはFL60号、剣崎沖のイサキと同じ道具、仕掛けでできますよ。


大型は交ざらずとも20cm前後主体でボリュームあります。ペース掴んで以来、3時間で89尾。バリ食いと言っていいでしょう。

11時、本日2回目の潮回りの間に数えてみたら89尾。実質8時スタートなので30尾/hのペース。朝イチからバリバリ釣ってたらこの時間すでに束超えていたかも知れず。出だし苦しんだくらいでちょうど良かったのかも・・・な〜んて、釣れたから言える結果論だが・・・。船長がデッキに下りてきて、釣れ過ぎちゃって面白くないだろう、朝イチの悩みながらやってるくらいの方が楽しいだろうと。まぁ、それもそうなんですけど・・・。再開するとトリプル交じりであっと言う間に束超え達成。11時台後半、そろそろ潮止まりも近く、流れは上っかわだけで底潮が弛んでからはスズメダイの率が上昇。気が付くと半猛攻状態だが、水深浅く仕掛けが拠れないのが救い。イサキと同じかやや下にいる感じだろうけど凄い数だね。イサキの食いも一服状態で、ちょうどいい頃に食わなくなりましたね・・・なんて言ってたら12時を回った頃、明らかに上げ潮が効き始めると、再びダブル、トリプルと始まって、それにしても凄い活性である。後半、小振りはだいぶ放流したけど、それでもクーラー満タンペース。ここから先は釣れても全部放流かな?なんて思ってたら、12時30分、回収の指示で少し走るとのアナウンス。Iさんが船長に確認したらアジ狙いとのこと。結局、イサキ釣りは実質4時間半で118尾。他に10〜12cmの極小ウリンボがけっこう釣れたけど数には含めず放流。Iさんもちゃんと数えてなかったけど、イサキは同じくらいと思われ、他にメジナ2枚は流石!私はメジナ1枚途中でハズレたのと水面で突っ込まれてすっぽ抜け。他、得体の知れない瞬殺が1回。一瞬でグレ針4号が伸びちゃったけど、もしや・・・。


終盤、野比沖に移動してアジ狙い。皆さんポチポチ上げますが、もはや消化試合モードか。

船は10分ほど北東に走って野比沖。反応に乗せているようで微妙に位置調整。水深24mで再開すると、みなさんマルアジ交じりで美味しそうな中羽アジを釣り上げるが、私は完全に消化試合モード、さっき1回繋いだカラー針仕掛けで先針も無い状態。小振りのマルアジ、マアジを6、7尾釣ったけどお隣の桶へ入れて13時半に自主納竿。流れでみなさん片付けモードになったところ13時35分、少し早いですけどあと10分で上がります!で、最後の最後、右舷ミヨシ2番のお客さんに何やら大物。時間を掛けたやり取りの末、ようやく玉網に収まったのは2Kg超級の良型イナダでお見事でした!結局、最後のアジ釣りはIさんが小振り主体にツ抜け?+デカ丸アジを1本、すずきんさんが食べ頃のマアジを6、7尾で、一番イイ仕事したのでは?もうちょっとマジメにやれば良かったかな?って思ったけど、帰港して氷を追加したらクーラーが限界!砕いてギリギリ閉まりましたよ。しかし、食いましたね〜。この時季、あんな浅い場所にあんなにイサキが居るんですね〜。話には聞いていたけど実際にやってみて目からウロコであった。開始45分の瀕死の状態から生還を果たし、兎にも角にも今日は『聞くは一時の恥』、コレに尽きるでしょう。教えて下さったお客さんに感謝感謝。ちなみに食味の方は脂の乗りもバッチリ、剣崎沖の魚と同じでしょう。当日は塩焼き、お刺身に舌鼓。翌朝は定番いさき茶漬けで朝から満足満足。ちなみに今夜は炙る予定。50尾お裾分けしてもまだ沢山、お陰さまで数日は楽しめそうです。夏場の剣崎沖と同じ道具、仕掛けでできますので、ご興味のある方は一度チャレンジしてみては如何でしょうか?


本日の釣果、イサキ 118尾(18〜24cm)、20cm前後が主体で夏場の剣崎沖より平均サイズ良く、これで21Lクーラー満タンでした。他、ゴマサバ 1本(37cm)、メバル 1尾の持ち帰り。メジナは2発掛けていずれもバラシ。スズメダイ多数、ネンブツダイ、キュウセン、ササノハベラ、ウミタナゴ、ミニシマダイなどは放流。マアジ、マルアジ6、7尾はお隣の桶へ・・・。

【船宿HPコメント】
イサキ 18−25cm 16−118尾 下浦−久里浜沖20m 22.5度 薄濁
イサキは好調で80尾以上が3名、40−60尾が4名。20cm以下は全体の1割弱で22−23cmが主体。他にメジナ・イナダ・カワハギ・アジが釣れた。


当日のお刺身。炙ろうかとも思ったのですが、料理人曰く、当日は普通にお刺身で賞味しようと。脂ノリノリ、甘味とコクがあって相変わらずの美味。夏場の剣崎沖より平均サイズは良いですが食味は同等です。23cm級はKOBIさんの教え通り、ハラワタを取らずにそのまま塩焼きで賞味。この時季、真子、白子はありませんが、脂が落ちずにふっくらジューシーに焼けて絶品ですよ。


翌朝は定番いさき茶漬け。アジ、イサキ釣りの後はコレが大好き!一晩ヅケておいて、中骨で取った熱々の出汁を注ぐだけ。白ごま、小ねぎなどお好みで。醤油で味の調整しても良いですが、最近はスープに塩味をしっかりめにつけて頂くのがウチ流です。翌晩は炙りと刺身の食べ比べ。まさか、この時季にコレができるとは、なんとも贅沢・・・。夏場のウリンボより大きいので食べ応えあります。

ホーム目次前のページ次のページ