洲崎沖、深場のコマセシャクリもまた楽し

3月5日(土)、金沢八景の一之瀬丸からLTウィリー五目に行ってきた。
先週末、金曜日には遅ればせながらの春一番が記録され、土曜日は吹き返しの北強風が予想されたため釣行を見送ったのだが、日曜日はまたしても南西強風が吹き荒れ、出漁した船は余儀なく早上がりとなったようである。このところ気圧配置の移動サイクルが早いため、日々、気温の上下差も激しく風が強く吹く日も多い。そうこう言いつつも陸では梅の花が咲き始め、あと一ヶ月もしないうちに桜の季節だから早いものである。そんなこんなで、このところすっかり隔週ペースとなってしまったが、今週末はお天気穏やかそうなので何か行ってみましょうか!ヤリイカ釣りも今季は一度もやっておらず、早めに行かないと品物が落ちてきちゃうので気になってはいるのだが、日によってスルメが多かったりと聞いてイマひとつ食指が動かず。この時期のスルメ、良型主体で釣るには良いのだけど、アニサキスだらけなのがどうにも気が乗らない一因。多い時は1杯から7、8匹くらい出て来るから、いくら干して焼いちゃえば大丈夫!とは言っても、身の中に入り込んでるのを気にして、見つけて取り除こうなんて考え始めたらコレが大変な作業。正直、釣りから帰ってそんなことイチイチやってられない。やっぱりスルメは初夏のムギイカがいいなぁ。去年はマルイカが良かった分、ムギイカがサッパリだったけど、今年こそは絶品塩辛を大量に漬け込みたいものである。(血圧には良くないけど・・・)さてさて、釣りモノ選定に迷うところ、船宿HPを物色していたら一之瀬丸の『完全予約制LTウィリー五目船』が目に飛び込んできて、こりゃいいかも!海が凪なら洲崎沖〜沖の瀬まで走って沖メバル主体にカイワリ、レンコダイ、キントキ、アジなどを狙うコマセ五目で、昨年、えいあん丸でやった沖の瀬の五目釣りとまったく同じイメージ。腕がシャクリたくてしょうがなかったところ、今週はコレ行ってみましょう!前日の夕方、予約のTELを入れてみると、私で6人目とのこと、そんな混雑も無さそうでいいかもしれない。


さすがの大所帯、乗合船7隻と仕立船1隻でしょうか?お隣はアコウ船、ヤリイカは2杯出しで盛況。

6時を少し回った頃に到着、早速、船形を見ると左右トモに1、2名の先客で、迷わず右舷ミヨシ1番を抜いて受付を済ませた。一之瀬丸は八景界隈で1、2を争う大所帯、本日は人気のヤリイカ船が2杯出し、本船の両隣はアコウ船とシーズン終盤となったスミイカ船、その他、午前LTアジ、午前エビメバルとどの船も盛況で賑やかな出船前の風景。本船は結局左右4名づつの8名で確定し、乗船券と引き換えにアミコマセと付け餌のオキアミ1パックを船長から受け取り準備万端。7時ジャスト、外側に着けられた半日船から順次出船、7時5分、本船もいよいよ河岸払いとなった。このLTウィリー五目、標準装備はPE2号に60号ビシとのこと。私は今年イシダイ五目用に調達したサソイ180SS+400Cの組み合わせで、PEは3号150m、場所的に潮型が悪いことも多く、水深もけっこう深くまで落とす可能性を見越して、ビシはFL60号とFL80号の両方持参したので具合が良い方を使おうと思う。1時間20分くらい走るので、船室に入るなら今のうちに入っちゃって!と船長。荷物を整理してキャビンに避難、場所到着までしばらく仮眠を取りたいところだが、なかなか簡単に眠れるものでもない。八景島でスパンカを上げてから航程1時間15分、8時30分に洲崎沖に到着。この船、船体は新しく無いが、エンジンはかなり速い。魚探で反応を探しているようで、丹念に旋回を繰り返すこと8時40分、ブレーキが掛かって本日第一投のアナウンス。水深80mで下から5〜10mとの指示。接続した仕掛けは当地で実績のある付け餌シャクリ仕様、銀チヌ1号の空針4本仕掛けで、ハリス2号、全長2.8m、枝素長20cm、夜光ビーズ等は無し。上から3本に持参したイカタン、先針のみ小振りのオキアミを装着。オキメバル専門狙いであればオールイカタンで十分なのだが、同じ場所に生息するカイワリ、レンコダイ、キントキなどの高級外道を視野に入れると先針1本だけでもオキアミ着けておくのが定石である。


八景から高速船で所要時間1時間15分、やっと着きましたよ洲崎沖。写真だと分かりませんがウネリがキツイです。

北の風やや強く晴れ、海上は南東方向から思いの外キツイウネリが入り、船は激しくローリング、と言うかシェイキング。風は大したこと無いのにメッチャ海悪いし。水色は真っ青で水温は高そうな感じ。大潮の3日目で干潮が11時過ぎの予報、この時間、下げ潮が速く、60号ビシだとトモ方向にぶっ飛んじゃって道具が足元に戻ってこない。水深は80mのはずだが、底に着く前に2、3度道糸止めて余計な糸フケ取りながら落としても90m出ちゃう。浅場で流れも緩ければ太目の糸の方が釣り易いし、こういう条件だと断然細糸が有利だし、このリールでカバーする釣りを考えたとき何号何メートル巻いておけばよいかは難しい問題である。ウネリと速潮の中、なんとか態勢を整えてシャクリ始めると、すぐさま身に憶えのある生体反応。コイツ今日も居るのか・・・。高速で回収すると案の定、ヒメのダブル。潮が速いので2投目からは迷わずFL80号にチェンジ。幾分マシかな?と言ったところ。上っ側の潮が速いので、船も場所から外れるのが早いようで、一流し10分足らずでマメに潮周りを繰り返す。何とも釣り難い序盤戦、ウネリ、速潮、ヒメの猛攻。見かねた船長、指示ダナ5m分すぐに巻き上げてからシャクリ始めるようにとアドバイス。とは言え、なかなか良いアタリも出ず、バケツ空っぽのまま時間だけが経過。一抹の不安が過ぎり始めた9時30分、ようやくまともなアタリを捉えて巻き上げ開始。テンションがなるべく一定になるようウネリに合わせて竿を上下しながら巻き上げ。回収に入るとぼんやりオレンジの魚影が1、2、3、4つ!ナント、本日初本命は4本針にパーフェクト。やっぱタナは高め、指示通り最初5mはすぐ巻いてしまって、食いダナは7〜8m。待ちはウィリーの時よりやや長めが良さそう。ようやく魚っ気が出始めて、その後、ポッツンポッツン単発が多いが、良い場所に入るとダブル交じり。明確に下げ潮なので、やはりトモ寄りの方が賑やかな様子。左右でカイワリが出たらしく、右舷トモ2番では800gくらいありそうな良型レンコ。羨ましいな。キントキで玉網も入り、良い魚は後ろばっか。


イシダイ五目の時と同じタックル(サソイ180SS+400C)、LTと言えども潮速くビシは80号。

10時30分、メバルは何とかツ抜けを果たし、他にイサキ、アカイサキなども顔を出してくれたが、う〜ん、もう一声、二声欲しいところ。すると、シャクって止めた竿にガツっと一際力強いアタリを捉えたが、引き込みも無くもはや勝負は終わり。瞬殺されたか?回収すると元から2番目がハリス切れ。何だろう?イカタンに食ってきたね。何だか分からないけど残念!11時、潮止まり間近か、だいぶ潮が弛んで釣り易くなってきたのはいいのだが、同時にアタリも減ってしまって小康状態。上手く行かないもんだなぁ。反応探すのにも時間が掛かるようになってきたので、少し早いけどお昼ご飯にしよう。結局その後、状況イマイチで、お昼の時点でメバル16尾にイサキ、アカイサキ。午後イチ、本日初の上からのタナ指示で、90mまで下ろしてシャクって85mで止め。時間的には上げ潮に入り、一旦止まり掛けた潮は動き出すとまたしても下げ潮。道糸が斜めに入る分、3m余計に下ろして93mで馴染ませてシャクリ始めると、2、3シャクリ目で強めのアタリを察知。なんか食ったぞ!回収するとシキシマハナダイとメバルの一荷。シキシマハナダイか〜!?おかず的には微妙だが、もちろんキープ。また下げ潮かよ、今日は一日中、釣り座が裏目だ。いい魚がぜんぜん食って来ないもんね。午後からは一段と水深が深くなって、12時25分、110mで下から5〜10mの指示。投入すると道糸が135mも出てしまって残り15m。何度か底を取り直すと125mまで戻したが、それでも15mも余計に出てしまう状態。底上5mからシャクリ始めて、止めた瞬間、ガツッと来てギュギュギュ〜ン!今日イチのアタリに見舞われたが、対処する前にサヨナラ。船長も見ていて、いいアタリだったね!ハリス切れちゃったでしょ!ハィ・・・。回収すると先から2番目の針がへの字に伸びちゃってるじゃん。だからチヌ針キライなんだよ〜!イカタンに食って針が伸びる魚って何だろう?ウマヅラか鯛系か?せっかく良さそうな魚食ったのに残念無念。今日は魚運イマイチかも。


ウィリー五目なんですが、私は当地で実績の高い付け餌シャクリ方式。イカタン+先はオキアミ。

相変わらず旋回時間は長めでイカ船の如き様相、陽気もポカポカとしてきて投入までの間、睡魔に襲われる。この時間、風は無風に近いが、相変わらず沖からピッチの短いキツイウネリが入り込んでグラングラン。何処から来てるのかこのウネリ、帰ったら下半身が筋肉痛になりそうだ。終盤戦は一段と深場での釣りとなり、最深で水深120mとのアナウンスだったが、崖っプチに落としてるようで着底したの145m。PE3号150m巻いてるので、残りは僅か5mと心細い。LTウィリー五目のはずだったけど!?オニカサゴ狙うような険しいポイントでの釣り。水深90mで入れて、いつまで経っても着底しないと思ったら、しばらくして、底着かない人は100〜110mで止めちゃってください!と船長。で、私、間に合わずそのまま下ろしてたら148mまで出ちゃって、おっと危ない!残り2mとなったところでストップ。スゴイ場所攻めますね。何が食ってくるか分からない面白さはあれども、如何せん着け餌が小粒のイカタンとオキアミだもん。たまに食って来るのはシキシマハナダイとミハラハナダイくらいがイイところ。そんな感じで後半は深場中心に攻めてみたものの、潮がイマイチなのか船中なかなか良い魚は顔出さず、カイワリも朝方トモ寄りで2枚出ただけかな?メバルも前半と同じペースで行けば30尾くらい行きそうだったけど、ペース尻すぼみで22尾止まり。後半は深めでやった分、メバルは食ってくれば23、4cmの良型が多かったが数は伸びず。いよいよ最後の流しと告げられ、水深120mで道糸は135m出ちゃう状態、3往復シャクったけどアタリ出ずにそのまま回収すると、14時25分、終了のアナウンス。期待の高級魚の顔は見れなかったが、メバルも20以上釣れておかず的には十分か。船中、他にカイワリ、レンコダイ、キントキ、ウマヅラなど釣れて文字通りのコマセ五目。コマセシャクリも色々ある中、深場のシャクリも魚種豊富でコレまた楽しいですよ。次回はPE2号200m巻いてこよう。


本日の釣果、オキメバル(トゴットメバル)22尾(18〜24cm)、イサキ (26cm)、アカイサキ (24cm)、シキシマハナダイ 3尾(26〜28cm)、ミハラハナダイ (27cm)の持ち帰りで、一応は五目達成。他、ヒメ多数、極小アズマハナダイなど放流。


当日、中型の沖メバルを塩焼きで賞味、ほんのり脂もあってふっくらマイウ〜!刺身はイサキと沖メバル、脂はさほど感じませんが、当日ならではのモチモチプリプリの食感は釣り人の特権ですよね〜!寝かせた方が甘み旨みは出ますが、コレも捨てがたい味覚です!


翌日、ミハラハナダイの煮付け、コレは当たりでした。身質がキントキやクルマダイにも似た感じで身放れよく旨みも十分、立派な一品になりました。沖メバルのお刺身も翌日には若干柔らかくなりますが、甘味が増してコレも旨い。素晴らしきかなコマセ五目!明日以降も続々と続きます。

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