横須賀沖のアジ、終日食い渋りもおかずは十分

4月2日(土)、金沢八景の米元釣船店からビシアジに行ってきた。
震災発生から3週間、日本国内、依然として様々な難問が山積する中、我々釣りオヤジはいつも通りに海へと繰り出す。今週末の天候は、金曜日後半から吹き始めた南西強風が土曜日、沖の方ではまだ残るものと見られ、外海の釣りはかなりタフなコンディションとなりそう。日曜日、前線が南海上に下がると高気圧が北に偏り、今度は強めの北東風が吹き返す見込みである。先週はアジとかイカとか言いつつ、結局、ヤリイカに行ったので、今週は海の状況も考え、無難なところで内湾のアジ釣りに行きましょう。2週間前に米元丸からアジ釣りに出漁されたIさんによると、横須賀沖のアジはまだ抱卵しておらず、秋口ほどでは無いものの、そこそこ脂も乗っていて大変美味とのお話。夏場にサクッと半日LTアジもいいけど、この時期、1日船でジックリ130号ビシアジもたまにはいいもの。で、前日になってIさんにお声掛けしてみたところ、快くお誘いに乗って下さり釣行確定。じゃ、いつもの電車でお会いしましょう!相変わらず二日酔い気味の朝4時30分、目覚まし時計に起こされ準備開始。準備と言っても荷物は前夜に作ってあるので、顔洗って着替えて家を出るだけなのだが、一応PC起動して風向きと最新の予報だけチェックすると、案の定、大島〜洲崎沖では依然10〜12mの南西風だが、内湾は良い凪で想定通り。先週は真冬並みの陽気で、春はまだまだ先かと感じられたが、同じ日に東京では桜の開花宣言が発表されたとのこと。週明けからはグングン気温も上がり、我が横浜界隈でも桜の蕾が一気にほころび始めてきたようだ。本日の予報も9度の19度、先週より最低最高とも8〜9度高い予報。こうなると軽い上着に適当なカッパ1枚あれば事足りるので装備も気楽で済むというもの。


本日はアジ、イシモチ、ヤリイカ、マダイと全船出船態勢で、お客さんはポツポツ。

いつも通り京急一番特急の後ろから3両目でIさんと合流し、6時過ぎには船宿に到着。両トモに先客が居られたので、左舷ミヨシから私、Iさんの順で荷物を下ろした。今日は珍しくアジ、イシモチ、ヤリイカ、マダイと全船総動員で、各船ともお客さんポツポツ。ヤリイカが6、7名、マダイも3名揃ったら出船との話だったが、4名ほど来られて出船確定の模様。ヤリイカの場所は、依然、南西風がけっこう強いものと思われ、釣りになれば乗りそうな予感がするけど、コンディション的にはけっこう厳しいと思われ、ご健闘をお祈りします。話は変わって、震災のため主に福島県で漁獲・生産されていたアミコマセが震災後まったく入荷できないとのお話で、これからシーズン最盛期を迎えるマダイ釣りを始め、イサキ、ワラサ、コマセシャクリと、今後のコマセ釣りの行方に危機感を抱いていたのだが、Iさんが船長に聞いてくれたところ、代わって中国産を仕入れるので何とかなりそうな雰囲気ではある。むしろ国産品より質は良いそうだが、値段が少し割高なような話もあり、量的にも従来通りの仕入れができるのだろうか?いずれにしても、マダイ釣りのコマセシステムがまた変更!?その他、アミコマセを使う釣り全般への影響はゼロでは無さそうだ。さて、7時過ぎにマダイ船、ヤリイカ船が相次いで出船後、しばらく待機して7時25分、右舷3名、左舷4名の7名の乗客で出船となった。横須賀沖まで15分ほど走るとのアナウンス。ここ何回か洲崎沖まで1時間以上の航程を要する釣りだったが、近いってのはいい。八景島の前でスパンカを上げると南東方向に船を走らせ、野島堤防赤灯沖のイシモチ船団のやや下手でスローダウン、何度か旋回して位置取りが決まると7時45分、開始のアナウンス。北の微風で晴れ、海上ベタ凪で水色は濁り。久し振りに見る濁り潮だが、水温急降下してなきゃいいけど。水深38mで指示ダナは2m。


130号のビシアジにはSB202と1000H、LT釣行が多くなり、年に1、2回ペースの出番です。

1投目、タナの取り直し後、小さなアタリが出たが、巻き上げ中に居なくなった。時間差でIさんが小アジを取り込んだので、私のもコレでしょうね。小振りだけど朝イチからバリバリモード?と思いきや、その後がサッパリ、何度入れ替えてもアタリひとつ出ない。一方、お隣Iさん、本調子とは言えないまでも、ハリスを1.5号に落とすや、上手くアタリを出して、イシモチ、イシモチ、アジ、イシモチ、イシモチ、アジとイシモチ主体ながら、まったくアタリが来ない私を尻目に流石の釣技を見せてくれる。海上穏やかでポカポカ陽気、最高の釣り日和なのだが、今日のアジ様、ご機嫌斜めの模様。大潮の初日で干潮が10時半頃の予報、この時間下げ潮だが思いの外、潮流は緩くて釣り易い。北風の下げ潮で我が釣り座は完全な潮ケツに回ってしまったが、それにしても生体反応が無さ過ぎ。かれこれ開始30分、ゆっくりした聞き誘いにクッとアタリが表れてようやく針掛かり、回収すると20cm台半ばのイシモチ君。イシモチ船団に近いとは言え、ホントよく交ざりますね。今の時期のイシモチは美味しいので大歓迎なのだが、早いとこアジを取り込まないことには気持ちが落ち着かない。アジ釣りも馬鹿にできなくて、こういう活性の日に合わせてワンランク細仕掛けも準備しておくべきと、こういう日に当たるといつも思う。今日もハリス2号、ムツ針10号のワンパターン仕掛けしか用意が無い。Iさんは毎回おまじないと言いつつ、自製の生アオリイカの赤タンを船上でカットするという気の入れよう。同じアジでも季節に応じた餌や仕掛けの配慮など、少しは学ばなければいけませんね。ひたすら道具を入れ替えているとようやく私にもアジが当たってくれてホッとしたが、その後もアタリの間は極めて長く、たまに食っても掛かりが悪いと見えて、途中で居なくなるのが多いこと。


場所的にこんな船の往来も日常茶飯事。

開始1時間15分、船中アタリが途絶えたようで、9時を回ったところで初の移動。この時点でアジ5尾、イシモチ4尾となかなかシビレる展開。昨日までバリ食いだったらしいけど、週末はダメよの法則は何時ものことか。念入りに15分ほど旋回して、再びエンジン流しで再開。水深は少し深めで42m。15分くらい打ち返しているとようやくアタリが出たが、取り込みで魚を船縁にぶつけてしまってサヨナラ。そうなんですよ、そう言えばここ数週間、以前やった四十肩(五十肩か?)が再発してしまって、痛くて肩が上がらないんです。肩を下げた状態で竿をシャクる動作は大丈夫なんだけど、肩自体が上がらない。そのため、いつもの感覚で仕掛けを手繰って抜き上げようとすると、魚が船縁に当たってしまい尽くバラす。アジ釣りは肩が上がらない分を計算して引き寄せないとダメなようだ。そんなことはともかく、その後も忘れた頃に1尾、2尾・・・。やはり沖ではかなり吹いているものと思われ、こちらも西風がス〜ッと風速が上がり始め、ついに来たかと思うと収まったりと安定せず。船を潮に立てるので、左舷は正面風となり仕掛けの投入などやや難があったが、時間とともに下げ潮が止まり掛けると船は風上の西向きで安定。それにしてもアタリがぜんぜん続きません。たまに誰かが釣ると、直後に周辺の誰かにアタリが出たり、船中2、3匹単位で釣れるので、小さい群れが出たり入ったりしてるのかな?10時20分、アジとは異質のアタリを竿に乗せると、最初、強い引き込みを見せドラグを使って対応。Iさんは前回の釣行で2Kg超のクロダイを上げているので、もしや!?船長が玉網を準備してくれ、最近、クロダイがよく上がってるから!と操舵室に戻った。ちょっと期待して慎重にやってみたけど、残り10mを切っても引きが衰えないからモノが違うね。ビシを回収したら仕掛けが斜めに走るし!途中から薄々勘付いてはいたけど、海面を割ったのは1m近いホシザメであった。


何をやっても食いませんね〜とIさん。横須賀沖40m前後で4箇所やったが終日食い気上がらず。

再開して10時30分、久し振りのアタリで辛くもツ抜け達成。移動してからの方がややサイズは良く、23〜25cm主体に背中がグレー掛かった肉厚の魚体で、品物は評判通り良さそうだ。誘って誘ってアタリを出して、その半分は掛からず・・・今日はホントにキビシイ。その後もペース変わらず、11時45分、本日3回目の流し。この時点でアジ15尾、イシモチ8尾。黙々と入れ替えること12時ジャスト、ようやく呼び込んだアタリだったが、またしてもバラシ。この時間、潮は明確に上げ潮に転じ、風は南西で安定すると、我が釣り座は再び完全なる潮ケツに回り・・・今日は釣り座が不利な条件のまま自力では脱っすることができない。正直なもので、私にアタリが出るのは、必ずと言っていいほどIさんや他の誰か釣った後なので、一向に差が縮まらず。得てして食いが渋い時ほど違いが明確に表れるように思う。13時30分、再び移動して4回目の流しは朝イチやった場所とのこと。早々にまずまずのカサゴが2尾釣れて、お土産に色を添えてくれたのがせめてもの救い。一瞬、Iさんにアタリ続いて、もしや時合い到来か!と思わせたが後がサッパリ。14時30分、27尾となったところで目標を30尾とするも、普通なら簡単にクリアできそうなこんなハードルも今日は越えるのが困難。定刻15時までキッチリやって1尾追加の28尾で終了となった。一日中、食い渋りのまま好転せず、今日はご機嫌斜めのアジ様であった。とは言っても、終わってみれば中アジ28尾、イシモチも30cm級交じりで10尾、まずまずサイズのカサゴが2尾と、自宅用の食材としては十分過ぎる量ではあるのだが・・・。ちなみに当日、アジは評判通りそこそこ脂があって十分行けますよ。イシモチも薄っすら脂があって食感もコリコリとやはり低水温期は美味しいですね。明日以降、数日は楽しめそうです。


本日の釣果、マアジ(19〜29cm)28尾、イシモチ(シログチ)(22〜30cm) 10尾、カサゴ 2尾(21〜26cm)。他、80cm級ホシザメ 3本は放流。

【船宿HPコメント】
アジ21〜31cm/17〜44尾
横須賀沖40m前後/暖かな春の陽気で最高の釣り日和でした!所々の桜の蕾も開き始めましたね♪何やら今日はアジ君ごきげん斜めなのか一場所では、シグナルが続かなく移動を繰り返しの拾い釣りでしたが、中あじ君&しろぐち君が交じりでおかずになりました!!


本文で「当日、アジは評判通りそこそこ脂があって十分行けます」と書きましたが、とんでもないです。やはり実力を発揮するのは翌日以降か!写真は翌日のお刺身、脂が回ってしっとり甘味旨みも十分、秋口の品物に負けてません。イシモチは当日と翌日でそこまでの違いは無く、同じように美味しいです。


シンプルに塩焼きもふっくらジューシーで旨い!

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