今シーズン初の竹取り

11月2日(日)kim君と今シーズン初の竹取りに行って来ました。
毎年、11月〜2月は竹取りのシーズンです。採った竹はもちろん自作和竿の素材として使用します。kim君もアマチュア竿師で古くからの竹取り仲間、今日は二人で様子を見に行くことになりました。和竿用の竹といっても種類が沢山あります。今日のターゲットは手元に使用する孟宗竹。手元から胴まで一本物で使用できるものもありますが、相当な希少品です。この竹は曲がり癖が強いものが多く、火入れや矯めが難しいこともあり、本職の竿師の方々はほとんど使用しません。業者から仕入れることができず、自分で探して来ないと手に入らないというのも使用されない理由かもしれません。

予定通り朝5時30分、kim君が車で迎えに来てくれました。まだ外は暗く日の出まで時間がありますが、現場に到着する頃には明けることでしょう。場所は近郊の某所。10年くらい前はひとつの竹薮も大きかったですし、そこいら中竹薮だらけで入り放題、探し放題だったのですが、近郊の竹薮はここ数年で相当整備されてしまい、最近は前年に目を付けておいた場所をピンポイントで探し回るしかなくなりました。不発も十分考えられます。寂しいことにだんだん採れなくなって来たのが実情です。

さて、まず一箇所目。去年太い竹が伐採され、一面切り株になっていた場所ですが、ここは不発。孟宗の竹薮は成長すると竹が太く高くなり、竿に使用できるような背丈くらいの細い竹はなかなか生えません。このため一度伐採された翌年など、そのまま開発されずに放置されていると、良い竹が生えてきたりするものです。伐採された時期が悪かったのかもしれませんが(こちらの都合ですが)、ここは新しい竹が全然生えていませんでした。次のポイントに移動です。

2箇所目、3箇所目も全然ダメ。すっかり整備され、昔は民家なんて無かったところがすっかり住宅地。竹薮も竹が無くなり普通の樹木が生えた公園になっていました。この山は昔から随分お世話になり、今まで何本採ったか分かりませんが、今後はもうダメかもしれません。1年振りに来ると、新しい道路が出来ていたりして、まったく景色が変っていることもあります。「あれ、ここだっけ?随分変っちゃったね〜」なんて。さあ次のポイントに移動です。

ここも今まで随分採った場所ですがどうでしょうか。kim君がいきなり良さそうな竹を発見。後で切ることにして探し進みます。ここも去年とはだいぶ様子が変ってしまいましたが、まだ少しは採れそうな雰囲気です。雑草や弦に絡まりながら前進し、真剣に探しますが、ちょうど良い太さで節の込んだ竹がなかなか出てきません。ようやく1本、カワハギ竿の手元になりそうな竹が見つかりました。ノコギリで土の中を四角形に切り、地下茎を切断し、竹を少しづつ揺らして根っこを折らないように浮かせます。上手く抜ければ一丁上がりです。


左:使える竹見つけた!、右:やっとのことで抜けました。

kim君は一本物を発見、これは節が良く詰まっています。ちょっと根元が扁平になっていますが、これはキープでしょう。昔から二人で竹を採っていると、私は根っこ専門、kim君は一本物っていう傾向になるのはどうしてでしょうね?目の付け所が違うのかなぁ。私は根っこの方が必要なんでそれでいいんですが・・・。


左:kim君は一本物を発見、右:すごい節の詰まり方です。

私は2本目を発見。これもカワハギ竿かなぁ。草が夜露に濡れているので、地面に膝を付くとズボンは露と泥でビショビショです。地盤が固いと簡単に掘れません。汗だくになってようやく二丁上がりです、暑っ〜。


左:また見つけた!、右:汗だくで掘りました。

その後しばらくの間、kim君と別行動で探索してみましたが、使える竹がほとんど見つかりません。私は何とか手元用を5本、kim君は一本物を2本採りました。この場所ではこれ以上採れそうにないので、見切りを付けて次のポイントに移動です。
次の場所は去年採れたのですが、整備されてしまったようでまったく採れませんでした。次の当てが無くなり朝8時、今日の竹取りはこれにて終了です。


左:根っこ掘りの道具(ノコギリの刃は1、2回で交換)、右:来年ここはどうなっているのかなぁ。

約10年の間お世話になったお馴染みの竹薮もついに開発の手が伸びてしまい、残念なことに今後採れるかどうかはかなり期待薄になってしまいました。もしかしたら近場で孟宗竹を採るのは今日が最後になるかもしれません。帰りはポイントを探しながら遠回りして帰りましたが、案の定良さそうな場所は見つかりませんでした。少し遠出してでも新しい場所を探さないと、今後の素材確保が危ぶまれます。困ったな〜竿の材料無くなっちゃうよ〜。


本日の釣果、じゃなくて掘果、カワハギ竿の手元に使えそうな孟宗竹5本(内根っこは4本)。

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