2003年4〜6月の和竿製作の様子

2003年4〜6月の作業状況をチラッとご紹介します。
前年に依頼を受けた分などは、切り組や火入れ、下地仕事、繋ぎはなるべく寒い時期にやっておきますので、気温が上がる3月中旬から寒くなる10月中旬までは、塗りの作業がメインになります。5月下旬頃その年の最初の分が完成すると、本数にもよりますが、もう1〜2サイクル秋までに作成することもあります。2回目以降は新しくお受けしたものを始め、できるだけ自分の竿も制作します。
2003年第2期のカワハギ竿3本はすでに塗りの工程に入っています。

2003年4〜5月
繋ぎが終って漆工程に入ったカワハギ竿。受託制作ですからオーナーはもう決まっています。これは2回目の摺り漆の工程です。継ぎなど前半工程を終えた竿たちは、なるべくこの工程まで全部進めておきます。この後、胴塗りへと進みます。仕上げ作業は室の大きさや作業時間などの関係で、私の場合は同時に3本までしかできません。(本職じゃないもので・・・)



雑然としたこの作業部屋。ここで仕掛けも作るのでゴチャゴチャです。詳しい方が見ると、どこの漆を使ってるか分るかと思います。



口塗りに「変わり塗り」を施すための山立て中。右は山立ての後、金箔を貼った状態。更に塗りと研ぎが続きます。有名な「金虫食い塗り」なども似たような工程で制作しますが、大変手間のかかる作業ですし、失敗も多いです。下の写真は2003年第1期のカワハギ竿、ヘチ竿、キス竿で、5月後半に完成しオーナーに手渡されました。



2003年6月上旬
ようやく胴塗りの工程が終了し、口塗りの仕上げ中です。



2003年6月中旬
胴塗り、口塗りが終了、ガイドとリールシートが取り付けられた状態。



2003年6月下旬
ふくりん引き、芽打ちが終了。これで全漆塗りの工程が終了です。後は手元と胴を接着、上げ矯めを行い微調整、ワックスで磨いて完成です。竿袋もできています。そう言えば口栓まだ作ってなかった!



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