2009年の作品

2009年はオニカサゴ(ヤリイカ)竿とカワハギ竿の2本の製作を行いました。


 2009年10月完成分2本

オニカサゴ(ヤリイカ)竿    丸節竹 + 孟宗竹手元 + グラス穂先 195cm インロー2本継ぎ
カワハギ竿    丸節竹 + 孟宗竹手元 + グラス穂先 199cm インロー2本継ぎ


問題のオニカサゴ(ヤリイカ)竿ですが(笑)、電動リール着用の高負荷の和竿を製作するのは初挑戦でして、実釣で使い物になるかどうかは定かではありません。素材は吟味して、強度的には大丈夫そうな物を使用していますが、なるべく水深が浅めの日、潮型が素直な日、サメなどの大型外道が居ない日?じゃないと厳しいかもしれません。まずは一回、使ってみようと思いますが、どうなることやら。キロオーバーのオニカサゴを掛けた時の曲がり具合は、素材を選定した時点からイメージできているのですが、メーターオーバーのサメはちょっと・・・。(笑)もちろん、ブランコ仕掛けのヤリイカ釣りにも使用できると思い、(ヤリイカ)としています。

カワハギ竿はK山さんからのご依頼ですが、この辺で重い腰を上げて(笑)、やっと製作に取り組みました。最初の切り組みでは2.2mと長めになってしまったのですが、手元側の竹をやや詰めて全長199cmに調整。そのため、2本継ぎの穂先側が長くなってしまい、口栓で仕舞い寸法を合わせています。製作中、不注意により、手元の挿げ口を室の蓋に挟んで潰してしまい、途中、手元だけ別の竹で一から作り直すという手戻りが発生して、完成が遅れる原因になりました。

口塗りはいずれも金虫食いにしてみましたが、仕上がりはイマイチですね〜。(笑)山立て用の絞漆(しぼうるし)の硬さが難しくて、乾燥後、部分的にシワになったせいで芯乾きも悪く、模様の際が不鮮明な箇所が多くなってしまい、見た目に影響が出てしまいました。ガイドはカワハギ竿がN〜LDB、オニ竿がLC〜LDB。オニ竿のリールシートは、そのままではビーストマスターが着かなかったので、スライドする留め金を削ってリールに当たらないように調整しています。他、変わったところでは、ステンレスの尻手環を着けてみましたが、どうでしょうか。

(製作中の写真をいくつか残してありますので、ご興味がありましたらこちらをご覧ください。)


2009年10月12日、当日は船上混雑も無く、潮型も素直でしたので、先にヤリイカ釣りでデビューさせました。負荷的に一日フル使用は酷だと思っていたので、終盤の1時間40分だけ使用しました。洲崎沖から剣崎沖に移動中セッティングし、再開第一投目でいきなり良型2杯掛け。当日の釣果17杯中、短時間で9杯をゲットしました。オモリ120号、水深150mで難無く釣りができましたが、実釣では意図したより穂先から穂持ちへの入りが柔らかめでしたので、穂先はもう少し急テーパーにして、1節手前で継いだ方が良かったと思います。反面、カーボン素材のような弾きが無い分、イカを乗せてからはしなやかでバレが少ないかもしれません。ホント使ってみないと分からないものです。この手の竿を作るのは初めての経験でしたので、今後の製作に生かしたいと思います。来年、また作ろうかな・・・。

2009年10月29日、ご依頼人のK山さんに新作をお渡しついでにカワハギ釣りをご一緒させて頂きました。当日は予報がハズれて朝から午前中一杯雨降りとなり、和竿には生憎の天気でしたが、カワハギの活性はまずまず。今年のカワハギは落ちが遅れているようで、未だ水深10〜18mの浅場での釣り。K山さん、新作第一号カワハギは少々小振りで苦笑でしたが、その後、大型交じりで最大28cmまでをゲット。K山さん用には3本目の製作になりますが、これまでの竿より、穂先の10cmくらいが柔らかめ、大型を掛けると穂持ち下よりも手元側に負荷が分散されるような調子を意識して製作しました。大型とのやり取りでは、ハラハラドキドキしながらもこれまでと一味違った新作の持ち味を堪能して頂けたようで、横で見ていて製作者冥利でした。これからもこの竿でバンバン大型をゲットしてください!


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